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お茶部アフター まとめ編

「お茶都市物語」をぶわっと一気読みしましたので、紹介のような感想なものをこそこそと。

独自解釈がありますのでご了承ください。



記事を別々にするより纏めてしまったほうがよいかと思い、ひとつにしました。

一度、誤ってデータを消してしまいましたが挫けない。

保存、大事。



ネタバレのため折りたたみます。

(以下、感想。敬称略)








◯最期の茶会 (Ag)

「自殺」という重いテーマに、茶目っ気のある優しい嘘と温かい紅茶を混ぜたお話。

柑橘系の爽やかな香りとしゃんとした彼の背筋に希望が合わさって、読了後につきものが落ちたようなほっとした明るさがありました。時計塔に住む魔女と少女という設定も好きです。

「どうしても捨てられないよね」という人間臭さを認めている魔女さんの台詞がたまらないです。





◯メモリアルブレンドティー (トダ姉)

「旅の思い出」をイラストにした作品。

陽気な音楽と郷愁を感じるイラストだと思いました。

きっとこの路地裏には、茶葉の香りが漂っているだろうなぁ。旅人のハルさんが持ってきてくれた色んな茶葉は、大人も子どもも妖精も、お茶を楽しむ平等さがある。私もこっそり、そこに混じりたいです。





◯Cifrado Libro Apocalipsis ~Oswald~ (雪本 歩)

一筋縄ではいかないオズワルドさんが、いい味だしすぎています。

ちょっとした興味心からトラブルに入っていこうとする、じわじわ感が好きです。「ルミノール反応がした」の台詞にどきりとしました。開けてはいけない箱を開けようする引っ張る力が魅力。紅茶とミステリーが混ざったお話で、続きはどこですかとなりますとも!

読み進めていくうちに、やられたとは思ったのは内緒。





◯美術館の至宝 (nicco)

ソフィーアお嬢様の子どもっぽい面と背伸びした面が、5ページに凝縮されています。

コマの中のキャラクターの動作や表情がころころとしていて、気品と愛らしさが溢れるお話だと思いました。お嬢様が館長というのも気になります。ここにある品々は、彼女が選んだものなのか、それとも家系のものなのか個人的に気になりました。

正直に申し上げますと、ロニーさんがドツボでした。彼のお茶はどこですか。





◯亡き王妃のためのティーセット(椎名 惠)

泥棒兄弟とティーセットの謎のお話。

ジョージとジュリアンの性格が相対的であっても、互いに協力しているという関係が好きでした。兄弟だからこそよく知っていて、お互いを嫌っているわけではなく、認めているような感じがしました。仲の良さにほくほく。二人が知ってしまった大聖堂の秘密はとてつもないもので、これは無理だとあっさり諦める潔さも次の仕事に移ろうという切り替えの良さも「泥棒」として滲んでいるなぁと。

王族の考えることは、斜め向こうに飛んでますね(´ω`)





◯黒の迷子と望郷の鏡 (さいふぁ)

お茶都市に留学をしてきたリコと、ある少女の金色紅茶にまつわるお話。

「金色」という言葉に、第一回部誌を読まれた方はピンときたのではと思います。前作の主人公である「お嬢様」と「金色の彼」にリコが関わるお話です。別の人物から見ることで、お嬢様のもうひとつの面が見えたような気がします。彼を探しているお嬢様は、難しいのはわかってはいるけれど機会を待っているのかな。

二人で飲んだ紅茶には、それぞれの懐かしさがありました。リコは桜。お嬢様は彼。二人の紅茶への思いは別々だったかも知れませんが、「彼」と会ったことで二人が仲良くなれたらと思います。





◯Cifrado Libro Apocalipsis ~Aref~ (雪本 歩)

二作品を書かれる猛者がいることは知っていましたが、歩さんだったとは。

時系列順ではこちらのほうが先なのでしょうか。アーレフさんが巻き込まれていく様子が面白いです。「こういうふうに繋がっていくのか!」というやられた感が読者として嬉しくて、にやにやしちゃいます。協力した理由が「双子の妹のため」だったとは。優しいお兄さんだなぁと思いつつ、トラブル事にうっすら期待しているのもいいですね。

「Cifrado Libro Apocalipsis ~Oswald~」のときも感じましたが、しっかりと書き込まれた描写力がこれから起こる出来事を期待させてくれます。凄く続きが気になります。じっくり紅茶を飲みながら読みたい作品です。





◯墓守り人 (高里潤)

雪の降る日に出会ったある老紳士のお話。

静かな雰囲気で描かれた漫画は、「彼」の心情を表しているようです。

月の始めに墓石の前でお茶をして、何か語るわけでもなく淡々と話が進んでいきます。ベッド脇にある剣(だと私は解釈しています)を見たとき「あぁ」と感じました。最期のときまで、「彼」は尊き精神を忘れないでいたのですね。

時代が変われば彼がしていたことを忘れられてしまうかも知れません。ただ、語り部には墓を守ったある老人のことを忘れないでいて欲しいと思います。





◯青い花と緑の鳥 (木元ユウ)

木元さんとはよい酒が飲みたいです(願望)

青年と少女の組み合わせが好きなのもありますが、何よりも二人のやりとりがツボすぎて悶えました。

「どうしたの、アンヌ=マリー。何かあった?」「エル、エルネスト、聞いて頂戴、やってらんないわ! ジルベールの阿呆がね!」 何この二人可愛い。まじ可愛い。ここから始まる叔父の話は、文具屋の日常を切り取ったひだまりの中にいるような気持ちです。叔父が彼女にしたことに、ほっこりしました。ニスやインクの香りが満ちた文具屋。今日もこの二人が紅茶を飲みつつ、のんびり会話をしていたらいいなぁ。





◯紅茶図書館 (伊佐雄)

館長かっこええええええええええかっこえええええええええええ!!!

小さな体に尖り耳、眼鏡に長い爪。謎に満ち溢れる館長がお茶都市の不思議を際立たせます。何よりも、登場したときの印象の強さ。怖さはありますが、紅茶に対しての信頼性も感じさせられます。紅茶を知り尽くした彼という人柄がが気になりますが、謎は謎のままにしてもよいような気がします。図書館に入り込んだような漫画にぐいぐい持っていかれました。

個人的に、館長の帽子、すごく、可愛いです……。





◯ミルク (沙ク)

自分が何者なのかわからない、特定の人にしか見えないシモンと彼が見えるヴェロニカの話。

最初、シモンが皮肉的に見えると感じましたが、それはシモンの強がりの寂しさの反面なのかなと感じました。彼の隣にいるヴェロニカちゃんが可愛すぎてフードとかぱっちりおめめとか可愛くてあぁも可愛い!!

二人でミルクティーを飲む温かさと彼を肯定する「天使」という言葉。私はこれに、ヴェロニカちゃんは死期が近い子なのだろうかと不安になりましたが、アフターを見る限り違う感じなのかな。

さらりと入ってくる漫画で、ふわりとした余韻を残してくれます。





◯星の舟 (椎乃みやこ)

自作品なので除外。ちょっとした裏話はきっとたぶんそのうち。





◯ファミリー (鳴加)

第一回部誌に登場した魔導師ディーオ様の弟子・シャイオンのお話。

故郷の森の色ばかりだしてしまうシャイオンは、無意識にホームシックにかかっていたのかなぁと思います。異界に行くことをディーオ様が勧めたのは、彼のそういう心情を知っていたからでしょう。

リズの家族もシャイオンも、わかっているけれど踏み出せない「きっかけ」が欲しかったのだと感じます。ディーオ様がシャイオンにきっかけを与え、シャイオンはリズ達にきっかけを作った。

ぐるりと回った絆が繋がり、優しい匂いに包まれるような作品でした。





◯BAR (白象正雪)

マスターが格好良すぎてこれはいったいどうすれば。

台詞もないイラストで表現するのは難しいことでないのかと、物書きの私は思っております。

漂う大人の香りは格好いいといいますか、こういう言い方をするのもなんですが「色気」がありますよね。お客さんもまた渋さがあります。男の背中……!

お茶都市にある大人の世界。素敵です。





◯音味 (神奈崎 アスカ)

引っ込み思案のほむろちゃんを中心に描く、ある夫婦との交流の話。

初めの一歩と言った雰囲気で、ほむろちゃんの戸惑いや不安が伝わってきます。気分は正に親心。

そんな彼女を迎える夫婦は、緊張した心を音楽でほぐしてくれました。音が紅茶を育てる。音に合わせて茶葉もゆらゆら揺れ動くのかなぁ。愛情たっぷり育った茶葉は二人にとって自慢の商品で、夫婦の仲の良さを伺わせます。

これから色んな出会いとお茶を知って、ほむろちゃんは成長していくのでしょう。

最初のお客様は、彼女にとって支えになるはずです。





◯十字の香 (吟子 あゆる)

茉莉とマリー。似ている名前の二人が登場するお話。

留学生の壁にぶち当たっていた茉莉は、マリーに食事会に誘われます。多くの人が持ち寄ったボリュームたっぷりの食べ物に教会の子どもたちとノボノ。独りで異国に来て、マリーにお茶を渡されて。茉莉はここで受け入れることができたのかなと思いました。自分の名前の花。温かい祝福は微笑ましく、厳かで人の温もりに触れたお話でした。

アフターで作中の食事やお茶を写真に載せて頂き、改めて向こうの国の食事量の多さに驚きました。賑やかで楽しいのだろうなぁ。





◯ グッバイ、ブルーバード (天都しずる)

やはりトリに来ましたか! \ティーレ/

第一回部誌に登場したユエとイングリッドの友情のお話です。

ユエは一回り大きくなったような気がします。イングリッドの会話からも、成長して大人っぽくなったのかなと。宝石と奇跡とお茶。きらきらとした輝きをぎゅっと詰め込み、願いを叶えさせるティーレはとても魅力的なものなのでしょう。店を構えて修行を詰み、そしてまた新たな場所へ行く。この作品は少女たちの別れを切り取ったお話ですが、決して悲しいものはなく、爽やかな読了感が残ります。

何より、願いを叶える奇跡がなくてもいつだって会えると笑い合う二人は、少女の友情を感じさせます。

\ティーレに、奇跡あれ!/

………アフターはアフターでたいへんときめいたのは内緒。





◯表紙 (トダ姉)

お茶都市物語の看板となった少年少女。デザインはひのゆさんだったんですね。

可愛らしい二人とこれから起こるわくわく感。見たとき、電子書籍だけではなく冊子化すればいいのになんてもったいないと心のなかで叫びましたとも。

部誌の顔を作って頂き、お二方、ありがとうございました!!





◯扉絵・編集 (椎名 惠)

部誌の編集、扉絵をつけてくださった惠さんに最大の感謝を。

本当に素敵な部誌をありがとうございます。ひとつひとつの扉絵に込められた想いに、もう、なんとも言い難いと申しますか、月並みな言葉になりますが感動しました。こういった機会をくださった惠さんには感謝してもしきれません。

アフターもお茶都市の愛情が込められ、少年少女たちのひとつのお話の終焉にぐっときました。

アンソロ自体、こういう形で参加するのは初めてのようなものです。

素敵で楽しいネットサークルに出会えたことに、心から誇りに思います。







◯最後に

気がつけばDL数が200を突破したそうですね。

パブーのランキングで見つけると、嬉しいのと納得する気持ちとこの中に自分が入っているのだという驚きがあります。全ての作品に、創作とお茶に対しての想いが凝縮されています。何度も読んでも味わう楽しさがあると思っております。



お茶都市に栄光あれ。

この物語たちが、少しでも多くの方に読まれますように。









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  • Posted by 椎乃みやこ