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お茶部アフター 星の舟編





「さぁ、イヨチに会いに行こう」







お茶都市物語に提出した作品「星の舟」についてです。

盛大なネタバレがあります。また、こちらの解釈・解説のようなものもあります。

あくまでもこういう見方もあるよという話ですので、気軽に読んでくだされば幸いです。














第一回部誌を読んだとき、幻想的なイメージが強く残りました。

それに合わせて児童文学のようなお話を書こうとも。

プラネタリウムは絶対に使いたいと決めていましたので、すぐさま希望をだした記憶があります。

お茶とプラネタリウム。ぱっと浮かんだのが、「星を追いかける女の子」。

それが「私」でした。





◯「私」について

作中の「私」には名前表記がありません。

一人称が「私」の少女を登場するお話を書く場合、あまり名前をつけないことにしています。キャラクターに強い個性を入れず、どこか平坦にさせています。どこにでもいるようで、いなさそうな無個性な「私」。

「私」という少女は、女性であれば誰かの中にいたかも知れない「私」を表しています。

なんといいますか、ずっとそういうものを書き続けているんです。ちょっとした癖というか、追い続けるものといいますか。好きなのです。少女の「私」が内包させる想いを描くのが。

久しぶりに「私」を書けて、少女らしい少女を書けたのが楽しかったです。





◯イヨチについて

作中にも書きましたが、イヨチは本名ではなくあくまでも愛称です。

イヨチという言葉自体に意味はなく、頭の中でなんとなく浮かんだ言葉を採用しました。浮かんだときに、これは愛称で男の子なのだろうと思いました。どういう子なのかは、語り部である「私」に任せようと、彼女に全てを託して書き上げました。「私」がどこにでもいるのなら、イヨチもどこにでもいる存在なのです。





◯双子について

ずっと一緒であることを望んだ「私」と、いつかは離れることを知っていた「イヨチ」。

顔が似ているから小さい頃は同じに見えても、身体的変化は必ずやってきます。その違いを無意識に知り始めたことで、「私」はようやく自分の罪、イヨチを失った過ちを知るようになるのです。

ひとつは片割れである弟にさよならを。

もうひとつには、子ども時代のもう一人の「私」にさよならを。

これは、「私」が辿る罪の話でもあります。





◯カノープスについて

最後にイヨチが彼女のためにとってきたりゅうこつ座、またの名を「カノープス」。

当初は説明をいれる予定でしたが、構成的に難しいと思いましたのでカットしました。だらだら書き続ける悪い癖です。制限数の4000字を超えて5000字になったときは、頭を抱えました。



南の地平線のすれすれのところに現れる赤色の冬の星、カノープス。非常に見つけにくい星で、中国ではカノープスを見つけると縁起がよいとも言われているそうです。



「星の舟」という名前の由来は、カノープスからです。

ギリシャ神話にある将軍メネラウス率いる船団の水先案内人の名前だったとか。トロイの戦争で活躍した将軍を案内したカノープスにイヨチは憧れ、船乗りに憧れていた設定もありました。

赤色のカノープスと赤色のりんご。「イヨチ」が憧れた船乗りと「私」が乗せたりんごの茶葉の舟。

色々重ねてはみたんですが、わかりにくかったと反省しております。





◯「私」と「イヨチ」のこれから

罪を知ったことで、「私」はようやく一人で歩けるようになったのではないかと思います。

「私」はお茶都市の中で生を全うし、「イヨチ」があの世界で船旅を続けます。

もし、お茶都市の住民があちら側に傾いた時、イヨチが舟に乗せてくれるでしょう。そのまま送られるか、(笑顔で)海に落とされて「私」と同じところに行くかは、その人次第です。

双子はそうして、二つの世界でようやく存在できたのではと考えています。





◯ようせいのくにについて

「ようせいのくに」が何なのか、なんとなくわかって頂ければと思います。

誰が「ようせいのくに」と言い出したのか、あの手紙を送ったのは誰なのか。空白の部分はありますが、そこは私も明確にしていません。読み手さんの自由に解釈して頂ければと思います。

「私」の視点はあくまでも子ども側。大人の視点でみると、少しだけ形を変えるはずです。







「星の舟」を書いている最中は気力を保つために、ちょいちょいアップルティーを飲んでいました。

また、【ニコニコ動画】【sasakure.UK】to Asteroid B-612 feat. lasah【Music Video】に助けられた面もあります。感想を拝読していますが、疾走感はこの曲の影響もあると思います。



嬉しい感想にも感謝しています。

書き手としてこんなに嬉しいことはないです。活力になります。

本当にありがとうございます。





「私」と「イヨチ」はお茶都市に行けば、会えるはずです。

もしかしたら、もう一人の自分に会えるかもしれない。



それがお茶都市の不思議なのですから。

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  • Posted by 椎乃みやこ